「地方銀行って本当に安定しているの?」「実際に働いてみてどうだった?」
そんな疑問を持つ就活生の皆さんに向けて、地方銀行で2年間の実務経験を持つ筆者が、リアルな職場環境と最新の業界動向を徹底解説します。融資審査200件以上を担当した経験から、表に出ない本音も含めてお伝えします。
執筆者と信頼の約束
こんにちは、「おちゃっぱ」です。小学5年生からブログを始め、20年以上書き続けています。JRで8年(500万人超の移動を支えた)、地方銀行で2年(50億円超の融資審査)、今はIT企業で流入150%増のコンテンツ制作に挑戦中。借金500万円で自己破産した過去も乗り越え、実体験と確かな情報をあなたに届けます。
- 私の強み
- JR8年:ダイヤ乱れや事故を仲間と乗り越え、危機管理を体得。
- 地方銀行2年:200件超の融資審査でリスクを見極めた。
- IT企業:SEOとコンテンツで流入150%増。
- 自己破産:借金500万円から這い上がり、資金管理を学んだ。
- ブログ20年:1,000記事超、月10万PV。
- 資格:日商簿記2級、FP2級、経営危機管理士。
- 得意分野:鉄道、金融、就職・転職、アニメ考察(リゼロ6周)、ゲーム攻略(スプラ500時間)。
- 連絡先:salla.ryom@gmail.com

私の経験と消費者庁、金融庁、厚生労働省のデータを基に、あなたの「次の一歩」を応援します。法律や制度は変わるので、最新情報を確認してください。質問は気軽にどうぞ!
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地方銀行・信用金庫の平均年収【2025年最新データ】
2024年3月時点の最新データでは、地方銀行56行の平均年収は615.2万円(前年比+11.0万円)となっています。従来言われていた500万円~700万円という相場から、やや上昇傾向にあります。
銀行種別による年収格差の実態
- 第一地方銀行:平均600万円~700万円
- 第二地方銀行:平均500万円~600万円
- 信用金庫:平均604万円(520万円~644万円の範囲)
- 都市銀行:平均820.4万円
【元銀行員の実体験】
実際に働いてみて感じたのは、基本給は確かに安定していますが、残業代込みでの年収であることを理解しておく必要があります。私の場合、2年目で年収約400万円でしたが、これは月40時間程度の残業も含んだ金額でした。
地域別年収格差の実例
千葉銀行(平均年齢38.7歳):約776万円
島根銀行(平均年齢38.7歳):約465万円
同じ平均年齢でも300万円以上の差があるため、どの地域の銀行を選ぶかが年収に大きく影響します。
地方銀行・信用金庫の3年以内離職率と平均勤続年数
新卒離職率を公表している地方銀行(20行)の数字を見ると、3年後離職率は14.5~36.8%で、平均は約24%となっています。厚生労働省によると令和2年度の3年後離職率(大卒)は全体で31.2%であるため、地方銀行の離職率は比較的低いと言えます。
元銀行員が語る:なぜ同僚は辞めたのか
実際に同期や先輩が辞めた理由:
- ノルマの厳しさ – マイナス金利やネット銀行の台頭で経営は苦しくなっており、ノルマ達成が年々厳しくなり、保険やクレジットカードの勧誘をしなければならない
- 理想と現実のギャップ – 中小企業の役に立ちたいという思いを持っていたが、現実では無理な貸し方を中小企業にアドバイスして融資したりしていた
- 将来性への不安 – AI導入や支店統廃合により、今後のキャリアパスが見えにくい
一方で、平均勤続年数は15.8年と比較的長く、「一度入ったら長く勤める」文化が根強く残っています。
地方銀行・信用金庫に就職するメリット【現場視点】
1. 相対的な安定性
確かにつぶれる可能性は少ないのが実情です。ただし、これは「現状維持」という意味での安定であり、成長性は限定的です。
2. 充実した福利厚生
実際に享受できる福利厚生:
- 住宅補助(家賃の半額補助など)
- 社内預金制度(高い利率)
- 各種研修制度の充実
- 有給取得の推奨(完全消化が基本)
3. ワークライフバランスの改善
残業がないか少なめというのは、近年の労働環境改善により事実です。私の勤務していた支店では、残業時間の管理が厳格で、月45時間を超えることはありませんでした。
地方銀行・信用金庫に就職するデメリット【実体験込み】
1. 将来性への懸念
日本銀行のマイナス金利政策の長期化は、銀行業界の収益構造に深刻な影響を与えています。地方都市における取引機会の減少や高齢化による市場の縮小が、地方銀行にとって大きな収益減の要因となっています。
2. AI導入による業務変化
銀行業界でAIを導入するメリットには業務効率化(事務作業の自動化、コールセンター業務の支援など)があり、2030年までに生成AIへの投資額が857億米ドル(約12兆円)に達すると予測されています。
現場で感じた変化:
- 定型業務の自動化により、人員削減の圧力が増加
- より高度な顧客対応スキルが求められるように
- 従来の窓口業務から、コンサルティング営業への転換
3. ノルマ達成の厳しさ
筆者の実体験として、月間の投資信託販売ノルマ3,000万円を課せられていました。これを達成するため、本来必要のない高齢者にもリスク商品を勧める場面があり、金融機関として本来あるべき姿と現実のギャップに悩みました。
地方銀行・信用金庫への就職の難易度
就職倍率は平均で10倍から20倍とされ、都市銀行よりは難易度が低い傾向にあります。
地域別難易度ランキング
特に競争が激しい地域:
- 関東圏:東京・埼玉・千葉・神奈川
- 関西圏:大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山
- 中部圏:愛知・岐阜・三重
これらの地域では、地元での就職希望者が多く、倍率が高くなる傾向があります。
地方銀行・信用金庫に向いている人
適性のある人材
その地域やエリアが好きな人や愛着を持つ人が最も適しています。また、几帳面でまじめな人にもおすすめです。
元銀行員が考える「成功する人の特徴」
- 地域愛が強い人 – 地元企業の成長を支えたいという想いがある
- 数字に強い人 – 財務分析や資金繰りの理解が早い
- コミュニケーション能力が高い人 – 顧客との信頼関係構築が得意
- 継続学習ができる人 – 金融法規や商品知識の常時アップデートが必要
地方銀行・信用金庫からの転職事情
主な転職先と理由
転職先として人気なのは、リクルート社、PwCコンサル、デロイトトーマツ、KPMGコンサルなどのコンサルビッグ4、ゴールドマン・サックスなどの外資銀行、日立など大手メーカーです。
転職で活かせるスキル:
- 金融や財務、経理に関する知見
- 計数管理に対する意識の高さ
- 数値管理能力
- リスク管理能力
転職で注意すべきポイント
最も大きな変化を感じるのが、社会的信用で、住宅ローンや自動車ローンの審査はほぼ希望どおりに通っていたが、転職先や収入によってはローンを組めない場合があることを理解しておきましょう。
業界の将来性と対策【2025年の視点】
厳しい現実と新たな可能性
銀行業界の国内市場規模は、今後5年間で5.34%成長すると考えられており、5年後の国内市場規模は31兆6,972億円と予測されています。一方で、フィンテックの国内市場規模は、今後5年間で243.96%成長するとされており、従来の銀行業務は大きな変革期を迎えています。
生き残るための戦略
地域密着型サービスへの回帰が再び注目されており、地方銀行を中心に、地元の企業や住民に対する個別対応や地域資源を活用したきめ細かなサービスを提供することで、顧客との信頼関係を深める取り組みが進められています。
まとめ:地方銀行・信用金庫就職を成功させるために
地方銀行・信用金庫への就職は、安定性とやりがいのバランスを重視する人には適した選択です。ただし、以下の点を十分に理解した上で判断することが重要です:
入行前に確認すべき3つのポイント
- その地域での長期勤務の覚悟 – 転勤はあっても、基本的に同一エリア内
- 金融業界の変化への適応力 – AI化やデジタル化への対応が必須
- 営業ノルマとの向き合い方 – 顧客利益と業績のバランス取り
私自身の経験から言えるのは、地方銀行は「安定」という意味では間違いなく優良な就職先です。しかし、「成長」や「変化」を求める人には物足りない可能性があります。自分のキャリア観と照らし合わせて、慎重に判断することをお勧めします。